【診断】非特異的腰痛でないものもありますが、鑑別のためにとりあげました。
- 若い人の場合 ⇒ 腰椎椎間板ヘルニアの初期症状
- 高齢者の場合 ⇒ 圧迫骨折の急性期
- 時間経過とともに疼痛が増す場合⇒ 脊椎腫瘍・感染 などの可能性
【治療】
- 腰椎椎間板ヘルニアの場合。
- 最初は休息が大切。神経の炎症がおさまるには時間が必要です。
- 短期間のステロイド内服は有効です。通常の痛みどめはなかなか効きにくいようです。
- なかなか痛みの取れない場合は、硬膜外ブロック注射が有効です。
- それが効きにくい場合は、神経根ブロック注射を行います。
通常の筋膜内への注射は効果が少ないので、鑑別診断となります。
- 腰椎圧迫骨折の場合。次のようなさまざまな方法があります。
- 保存的にゆくなら、まず安静臥床。骨折部が安定したら硬性コルセットをつけて動きます。
- 最初から体幹ギプスを巻いて、日常生活を送ってもらう。
- <手術> 圧迫された骨に人工骨を溶かしたものを注入し、それ以上つぶれないようにする。
- 脊椎腫瘍・感染(脊椎炎や椎間板炎など)の可能性のある場合。まずは、レントゲン。
疑わしければMRI、CTなどで詳しく調べます。MRIが万能だと思っている人もいるようですが、
骨の描写などCTの方が優れている部分もあります。治療法は個々の場合によって異なります。
<コメント>
椎間板ヘルニアの場合、腰痛が消失した直後に下肢痛やしびれが出現することがあります。
これは、髄核(椎間板の中心にあるもの)が出かかると腰痛を起こし、出てしまうと神経に
炎症を起こすからだと考えられます。