ぎっくり腰と腰椎捻挫を同義に扱っているケースも多いのですが、微妙にという
か、本当は違うものだと考えています。これは次の、2項目を比較して頂ければ御
理解頂けるものと思います。
1)ぎっくり腰は自分自身が筋肉のバランスを崩して起こるが、腰椎捻挫は外
から力を加えられて起こる。(例:靴下を履こうとして腰がギクッとなる
のがぎっくり腰で、交通事故で腰を痛めたのが腰椎捻挫。受傷内容によっ
ては腰部挫傷という言葉が適当な場合もあるでしょう。)
2)ぎっくり腰は筋肉の痙攣であるが、腰椎捻挫は筋肉や靭帯などの損傷であ
る。だからぎっくり腰はトリガーポイント注射やカイロプラクティックあ
るいは針治療ですぐに良くなる(筋肉の痙攣が治まれば痛みがとれる)が、
交通事故で起こった腰痛は長引く(損傷が治癒するのに時間がかかる。足
関節の捻挫が治るのに2〜3週間はかかるのを思い出して下さい。)
いっぽう、ぎっくり腰の中で椎間板性のものがかなり有るという研究報告をしている論文もあります。
日本腰痛学会雑誌Vol.8 (2002),No.1 pp.106-114
また、多くのweb pageで、ぎっくり腰が椎間関節性のものだと述べています。
でも、私は治療経験からぎっくり腰は筋肉の痙攣だと理解しています。