
非特異的腰痛とは、原因が特定できない腰痛のことを言い、腰痛を伴う腰椎疾
患の85%を占めると言われています。それは、そのほとんどに神経症状が無いた
め、MRIなどの検査では腰痛の原因が分からないからです。言いかえれば、腰椎
椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症などでは無い、ただの腰痛というわけです。
原因には、いろいろなものが考えられますが、次のような種類があるといわれてい
ます。
1)筋・筋膜性腰痛 (最も頻度が高い。下のコラム参照)
2)椎間板性腰痛 (⇒日本腰痛学会雑誌Vol.13(2007),No.1 pp.17-23)
3)椎間関節性腰痛 (⇒日本腰痛学会雑誌Vol.13(2007),No.1 pp.31-39)
4)仙腸関節性腰痛 (⇒日本腰痛学会雑誌Vol.13(2007),No.1 pp.40-47)
2)〜4)の参考文献については、やや専門的すぎる内容なのですが、web上
では他に適切なものが見当たりません。残念なのは、最も頻度が高いだろうと
思われる1)についての論文がほとんど無いに等しいことです。この点が腰痛
の科学が進歩しない大きな原因であろうと思います。
筋・筋膜性腰痛を診断する。
筋・筋膜性腰痛は疼痛の部位や疼痛の起こる動作に特徴があります。なぜなら、腰のそれぞれの筋肉には特定の働きがあるからです。
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