
変性すべり症

分離すべり症
どの部分がどうしてすべるの?
腰椎すべり症には、変性すべり症と分離すべり症があります。
変性
すべり症は椎間関節や椎間板が変性して上の椎骨が前にすべります
(右上図)。一方、分離すべり症は椎骨の一部(椎弓)が分離している
ため、椎間板などが弱くなると上の椎体が前にすべります(右下図)。
2種類のすべり症、症状の違いは?
右の2つの図で、赤い*印の部分に注目して下さい。上の図(変性す
べり)ではこの部分が前にずれるので、神経の通り道は狭くなります。
おまけに椎間関節も変形してその周りが腫れますから、ますます神経の
通り道が狭くなります。これが腰部脊柱管狭窄症のひとつの姿です。一
方、下の図(分離すべり)では*印の部分は前にずれていないので脊柱
管狭窄症になる可能性は低いのです。
2種類のすべり症、治療法は?
腰椎すべり症があるからといって、症状がでるとは限りません。
症状がなければ治療は必要ありません。
症状が腰痛だけであれば、まず手術は必要ないし、
手術をしたとしても腰痛が改善する保障はありません。
強い神経症状があり、神経ブロックなどが効かない場合は、
手術をすることもあります。まず神経の圧迫を取り除きますが、問題は
すべりを元にもどして固定する必要があるかどうかです。これは様々な
意見があり、いまだ決定的なものはありません。
(私個人の意見は、神経の圧迫が十分に除かれて、
かつ腰椎が不安定になるような操作をしなければ、
すべりを元にもどす必要は無いと思います。なぜなら、すべった状態のほうが
安定なはずですから。)
<参考> レントゲンの写り方

変性すべり症

分離すべり症