消炎鎮痛剤



 「痛み止め」というと、痛みをその場限りで止めるだけ、と思っている人も多
いと思います。痛み止めは、正式には「消炎鎮痛剤」と呼ばれており、その名
の通り痛みを止める(鎮痛)だけでなく、炎症を抑える(消炎)効果もあるわけ
です。炎症を抑える効果とは、例えば関節の腫れを改善したする効果です。

 腰痛も単に痛みそのものが存在するというのではなく、炎症が痛みの原因
になっていることが多いのです。ですから、消炎鎮痛剤を使う意義はあるわけ
です。ところが、なぜ消炎鎮痛剤だけで腰痛は治りにくいのか?ということで
すが、消炎鎮痛剤で炎症はある程度治まっても、腰痛を起こす原因が改善さ
れないからです。その原因とは、腰椎そのものの異常の場合もあるし、過労や
精神的ストレスなどの場合もあります。ですから、「消炎鎮痛剤を利用して速く
症状を改善しながら、腰痛の原因を取り除く」
ことが薬の正しい利用法です。

                   

一般名

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製品名

ジクロフェナク ナトリウム
腰痛には最も良く効くようです。ただ、オリジナルは胃腸障害が やや多いのと、効果持続期間が短いので、ゆっくり溶けたりする ような(徐放剤)、さまざまな工夫がされています。
ボルタレン、ボルタレンSR
ナボールSR
(SRは徐放剤)
その他ジェネリック製剤
ロキソプロフェン ナトリウム
胃腸障害の副作用を減らすために、胃から吸収されたあとに 消炎鎮痛剤に変化します(プロドラッグ)。印象では、ジクロフェナック に比べて、なぜか腰痛より肩こりに効くようです。
ロキソニン
その他ジェネリック製剤
エトドラク
胃腸障害を起こす働き自体を抑えたもの(COX-2選択薬阻害剤)。 効果はロキソニンとほぼ同等と言われています。
ハイペン
オステラック
その他ジェネリック製剤
メロキシカム
胃腸障害を起こす働き自体を抑えたもの(COX-2選択薬阻害剤)。 また持続時間が長く、1日1回の服用法となっています。
モービック
メロキシカム(ジェネリック)
セレコキシブ
COX−2の選択性が強く、より胃腸障害が少ないものです。 効果はロキソニンと同程度ですが、確かにかなり胃の弱い人でも 大丈夫のようです。
セレコックス

 歴史の古〜い、こんな薬も現役で使われています。

    

一般名

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製品名

アスピリン
1897年に世界で最初に合成された消炎鎮痛剤です。化合物名は アセチルサリチル酸。抗血小板作用があるので少量使用で心筋梗塞や脳梗塞の予防にも使用されます。15歳未満は禁。胃腸障害にも注意。
アスピリン
バファリン
 (制酸剤との合剤)
アセトアミノフェン
これはいわゆる消炎鎮痛剤ではなくて、「解熱鎮痛剤」です。抗炎症作用はあまりありません。 上に挙げたNSAIDとは鎮痛の作用機序が異なります。胃腸障害をはじめとする副作用が少なく 最近、見直されています。
カロナール
小児用バファリン

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