温熱・牽引・電気治療などの物療は、基本的には腰のコンディ
ションを整える治療であって、腰の構造や機能に変化を与える
ものではありません。しかし、筋・筋膜性腰痛に適切に施行す
れば、それなりの効果はあるはずです。ただ、効果がゆっくりな
ので、働き盛りの人にはリハビリに通ってもらうよりも、トリガー
ポイント注射などで痛みを短期間に除いて、すぐに働けるように
したほうが良いと思います。
しかし、高齢者などで筋肉の線維化（筋肉が硬くなってしまっ
た状態）をきたしている場合には、他に良い方法が無いのです。
ですから、腰のコンディションを整えて、できるだけ体を動かし
やすくすることが治療の目的になります。この意味で、物療は意
味のあることと考えています。
お年寄りが毎日リハビリに通うのは、若い人にはきっと理解のできないことと思うし、
医療経済的にもネガティブな意見が多いですが、お年寄りが少しでも活動的になれるのなら、
悪くはないことだと思います。