A.後ろからスクリューで固定
B.椎体の間を固定
どんなときに腰椎固定術が必要か。
腰椎定術は、その名の通り椎骨と椎骨を様々な方法で固定する
手術で、次のような場合に行われます。
1.なんらかの理由で脊椎が不安定な状態になった場合
@脊椎の骨折(破裂骨折・圧迫骨折後偽関節)
A脱臼・亜脱臼(主に外傷による)
B脊椎腫瘍
2.手術で腰椎に不安定性を生じる可能性のあるとき
@腰椎分離(すべり)症で神経の圧迫をとる場合
A脊柱管狭窄症で椎間関節を削る必要のある場合
3.脊椎を矯正する場合
@側弯症
A圧迫骨折などで亀背が強くなった場合
腰椎固定はどのようにするのか。
固定方法は右図のように大きく分けて2通りあります。ひとつは、
Aのように後ろからスクリューを入れて固定する方法です。ただ、
これだけでは時間が経つとスクリューが緩んでくるので骨移植を
行う必要があります。もう一つはBのように腰椎の椎体の間に自家骨や人工骨などを挿入して
椎体どうしを固定する方法です。実際には、両方を組み合わせることもよく行われます。
具体的な手術法には次のようなものがあります。
1.後側方固定術(PLF) ・・・ 腰椎の後方からスクリューを入れて固定した後、自家骨を腰椎の
側方において骨移植とする。脊柱管狭窄症で広く骨を削らなければならないときに行うことがある。
2.後方侵入椎体間固定術(PLIF)・・・ 腰椎の後方から椎間板を取り除き、そこに自家骨や人工骨を
挿入する。この場合、スクリューなどで後方固定術を併用する。腰椎すべり症などに適用される。
3.腰椎前方固定術(ASF) ・・・ 腰椎の前方から侵入して固定する方法。脊椎腫瘍などで広い
範囲の椎体を切除しなくてはならないときに行われる。なお、狭い範囲の固定であれば、内視鏡
で行う方法もある。
症例
60歳台の男性
主訴:両下肢のシビレ。下肢筋力低下のため歩行
時にふらつく。
MRI :第3腰椎〜第5腰椎の広範囲で脊柱管に
狭窄が認められた。(がっちりした男性
にときどき見られます。)
診断:腰部脊柱管狭窄症(広範囲で狭窄がみら
れる場合、このような症状が見られます。)
手術:後側方固定術(右の写真では第3腰椎から
仙骨の範囲で固定しています。)
腰椎固定術は本当に必要か?
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