体幹のCT像 腰椎を含む断面
腰には5つの椎骨があり、そこに多数の
靭帯や筋肉がついています。ですから、ど
の部位が痛むかというのは痛みの原因を
知るのに重要な情報なのです。
ところが、自分の痛みの部位を正確に
把握している人は半分もいません。なぜ
かというと、痛みの部位が体の深いとこ
ろにある場合があるからです。
右図の@赤い点のように浅い部分に痛
みの中心があれば、矢印のように比較的
正確に痛む部分を指し示すことができま
す。ところが、Aのように深い部分に痛み
の中心がある場合には、体表の一部を指
し示すだけでは正確な部位がわかりませ
ん。
そこで、指でいろいろな部位を押えて解
剖学的な位置を確認しながら痛みの中心を同定するのです。
圧痛点とは「押して痛む部位」という意味ですが、
実際には多くの圧痛点を総合して痛みの中心を探すことが、
腰痛の診察では重要なことと考えています。
ですから、トリガーポイント注射も単に圧痛点を頼りに注射するだけでは
当たるも八卦、当たらぬも八卦。解剖学的判断にもとづいて三次元的に痛み
の部位を把握してこそ、有効率が向上するのです。