ミエロ ミエロ MRI MRI
神経根造影
MRI
椎間板造影

 ミエログラフィー(脊髄腔造影)

 神経の通り道(脊髄腔や神経根)、椎間板などはレ
ントゲンに写りません。ここにレントゲンに写る液(造
影剤)を注入してレントゲンやCTをとるのが造影検査
です。左側の写真で、水色の矢印の部分から造影剤
を注入しています(ミエログラフィー)。側面像(左側)
では、造影された脊髄腔が2か所ほどくびれており、
そこで脊柱管が狭くなっていることがわかります。正
面像(右側)では、神経根が造影されている部分と、
造影されずに不明瞭になっている部分があります。
 また、このようにミエログラフィーを行った直後に
CTを撮影することにより、断面像で神経の圧迫等
が分かります。(ミエロCT)   ⇒参考

 このように造影検査によって、神経の圧迫の様子がわかるので、MRIが発達
する前は、この検査で診断を下し、手術の方針を決めていました。今では、MR
Iで大抵のことは分かります。条件によっては、右下の写真のようにミエログラ
フィーの正面像と同じような像がMRIでも得られます。

 そこで、「MRIがあればミエログラフィーなど要らないのではないか?」という
意見も出てきます。しかしメリットはあります。たとえば、腰を曲げたり反らしたり
したときの神経の圧迫の様子は、ミエログラフィーの方がよく分かります。ですか
ら今でも施設によっては、MRIだけでなくミエログラフィー、ミエロCTの検査結
果を併せて、手術方針の決定資料にしています。


 その他の造影検査

1.神経根造影
 ミエログラフィーでは末梢のほうまで十分に造影することは困
難です。また、神経根は3次元的に曲がっていますから、MRI
で描写するのも限界があります。そこで、神経根に直接針を刺し
て造影剤を注入するのが神経根造影です。このとき、神経の支配
領域に痛みが走りますから、それがいつもの症状と同じ範囲であ
れば(再現痛)、その神経根が原因と同定されるわけです。しか
も、これに局所麻酔剤やステロイドを入れることで、症状が緩和
されることがあります。つまり、神経根造影は検査でもあり、治
療(神経根ブロック)でもあるわけです。   ⇒参考


2.椎間板造影
 その名の通り、椎間板に針を刺して椎間板の中心部(髄核)に
造影剤を注入するのが椎間板造影です。このとき、いつもの腰痛
がおこれば(再現痛)、その腰痛は椎間板性の腰痛だという診断
がされています。また、造影剤の広がり方で椎間板ヘルニアがど
のような状態であるかもわかります。これはCTでさらに詳細に確
認できます。   ⇒参考
 ところで、椎間板造影のときに生じる腰痛をもって普段の腰痛
が椎間板性の腰痛と判断して良いものでしょうか?椎間板に直接
針を刺して内圧を上げることは不自然なことで、普段の活動で
どのように腰痛が生じているかということとは直接の関係は無いのではないかと思います。 また、もしそこが正常な椎間板であったとしたら、造影剤やステロイド等を注入すること により椎間板の変性を早めてしまう可能もあります。ですから、椎間板造影については 懐疑的にならざるを得ません。   ⇒参考

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