腰痛の原因となる3つの要素
腰痛の原因は左の図のように、@構造の破綻(骨折・変形・神経圧迫など)
A疲労(主に筋肉) だけでなく
Bストレス・怒り・不安 なども大きなウエイトを占めています。ストレス・怒り・不安は、腰の筋肉
や神経の血流を悪くして、痛みを起こします。また痛みの記憶は、無意識のうちに不安やストレスを招きます。
ニューヨーク医科大学のサーノ博士は、腰痛に限らず坐骨神経痛や腱鞘炎などのほとんどの疼痛が、怒り・不安・ストレスから生じると言っています。
これは、「痛み」を生じさせることによって怒りや不安を忘れさせようと脳が仕組んでいるからだそうです。この状態をTMSと言っています。
TMSはTension Myositis Syndromeの略で、直訳すると「緊張性筋炎症候群」ということになります。
痛みが怒りや不安からきていることを理解し、それが潜在意識まで行き渡れば痛みはなくなるというのが彼の持論です。
私自身は今のところこれを全面的に肯定する気にはなれませんが、多くの症例においては当てはまるのは事実だと思うし、
疼痛治療の鍵を握っていると思います。
腰痛をなくすには
腰椎の構造の破綻は、特別な場合以外時間がたてばある程度落ち着くので、あまり心配しないで下さい。
そこで、するべきことは次の3つ。
@ 疲労をとる。ただし、必要以上に安静にすると筋肉がやせたり硬くなり、
かえって腰痛がひどくなります。疲労がとれたら筋肉の血流を良くするため、体をしっかり動かしましょう。リハビリも一つの方法です。
A 痛みの記憶を残さない。それには、早く痛みを取ることです。痛み止め・神経ブロックも上手に利用しましょう。
B ストレス・不安・怒りがあれば、それが痛みを持続させるの要因になっていることを理解することです。たとえば、
◆レントゲンやMRIで異常を指摘されて苦にしていませんか?
・・・異常があっても多くの場合は、それ以上悪くなることはありませんから安心を。
◆スポーツで腰痛になった場合、早く復帰しなければとあせっていませんか?
・・・あせらず、少しずつ運動負荷を増やしていけば大丈夫です。
◆仕事で腰痛になった場合、休業補償をあてにしていませんか?
・・・いつの間にか、再び働くことへの不安が芽生えてしまいます。
◆交通事故で腰痛になった場合、相手へ怒ったりや自分は不運だと思っていませんか?
・・・よほどの事故で無い限り、体の中は3週間で治っているはずです。
ある程度のところで心も体も妥協して、早く体を普通に動かしましょう。