腰椎側面

 アレクサンダーテクニークを一言で言えば、「自己(セルフ)をいかにうまく使うか」
ということの方法です。「体」と言わずに「自己(セルフ)」といったのは、体と心を
分離して考えるのは間違っているというアレクサンダー流の考え方に沿いました。
舞台俳優であったF.M.アレクサンダー(1869〜1955)が舞台で声が出なくなるとい
うトラブルを解決する過程で見出したもので、その後世界に広まっていいきました。
基本的な方法のひとつは、無意識のうちに起こってしまう体の不要な緊張を取り除
いてゆくもので、特に頭〜首〜背中の在り方に着目しています。これによって、肩
凝りや腰痛が予防できるだけでなく、スポーツや芸術など人間の様々な活動に良
い効果をもたらすことができるということで、オリンピック選手や俳優、音楽家がレ
ッスンを受けています。レッスンを受けているというのは、これを体得するのは一人
ではなかなか難しいので、認定された教師に指導を受けることが必要だからという
ことだそうです。

 なお、私が今のところ読んだ本は次の3冊でどれも役に立ちますが、やはり読むだ
けでは不十分かもしれません。

















ひとりでできるアレクサンダー・テクニーク ― 心身の不必要な緊張をやめるために
ジェレミー チャンス (著), Jeremy Chance (原著), 片桐 ユズル (翻訳)
 アレクサンダーテクニークの概説としてユニークな本です。やや抽象的なところもありますが、
どのようにアレクサンダーテクニークを学んだらよいかという指針がわかります。
アレクサンダー・テクニークにできること ― 痛みに負けない「からだの使い方」を学ぶ
デボラ キャプラン (著), 芳野 香; 和田 実恵子 (翻訳)
 肩凝りや腰痛のメカニズムを鋭く見通した内容になっています。我々整形外科医が学ぶべき
ところも多く書いてあります。
音楽家のための アレクサンダー・テクニーク入門
ペドロ デ アルカンタラ (著), 小野ひとみ (監修), 今田 匡彦 (翻訳)
 音楽をするという芸術活動の観点から書いてありますが、心技体の結びつきが良くわかる
内容なので、楽器を演奏しない人にも役にたちそうです。

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